試しに小話書いてみた。
今週のお題「急に休みになったら」
休みなので墓参りに来た。
2023年8月7日。
埼玉県。
その日も酷暑で、それはカンカン照り、湿度もものすごくあって汗が滝のように噴出した。
自分は28歳だが、やや小太りだから尚のこと汗っかきだ。
つらい。
暑い。
でも、今日は墓参りに行かなければ行かなかった。
そうしないと俺は後悔する。
お花屋で菊を買い、お線香を片手に○○墓地へ歩いてきた。
そんなに遠くない。
アパートから15分程度だ。
汗を手拭いで拭きながら花を入れ替え、お線香をやった。
そうだ、こんなに暑いのに水もかけないなんて。
墓地の片隅にある水くみで蛇口から桶に水をくむ。
墓石に戻って水を上からかけてやる。墓石から少し湯気が立っている。
どうなっているんだ、今年の酷暑は。
やっと墓参りの準備がひと段落できたので、手を合わせようとする。
すると、
「あら……」
「こんにちは……」
奥様らしき方とその娘が表れた。
「どうもお邪魔してます」
「いえ、その、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
心臓がバクバク言った。
それもそのはずだ。
本当は俺は、このお墓にお参りをしてはいけないのだ。
「あなた、どなたさまですか?」
ああ、なんてことだ。
実は、俺は占い好きで今日は誰かのお墓のお参りをすると運気が回復するとテレビでいっていたから、適当な近所のお墓でお参りに来ただけなのに……。
どうしよう、どうごまかしたらいいだろう。
その前に迷惑行為はやめようと反省した一日だった。